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2-4. 大港湾に近接する地方港でのコンテナ化
川崎港、千葉港におけるコンテナ化への努力は着実に実り、貨物量も順調な伸びを見せている。
この両港の事例は、神戸港という大港湾に近接する東播磨港・姫路港にとって、参考点を示唆している。

 

(1)川崎港の取組み
川崎港は、横浜港と東京港という大港湾の間に立地している。川崎港直背地に相当量のコンテナ貨物が存在するが、その多くはこれまで川崎港にコンテナターミナルがなかったため、横浜港を経由する傾向があった。川崎港のコンテナ化は、荷主にとって「わずかな距離にもかかわらず貨物を分散させる不経済性」の壁も大きかったが、「少しでも安く」を追求するメーカーの意向を背景にコンテナ化を推進している。
また、川崎港では、コンテナ後発港として貨物を集めるため、積極的なマーケティングと魅力ある港づくりを重視している。
マーケティングの側面では、直背後地のコンテナ貨物量およびその輸出入先を把握することにより、物流実態に見合ったコンテナ航路の開設に結びつけている。
港づくりの側面では、自動化ターミナルの建設、大水深バースの建設、高度情報システムへの対応、大規模なFAZ施設の建設、24時間荷役の実施、ポートチャージの低廉化、交通網の整備などハード・ソフトの両面から整備を進め、船社・荷主に川崎港の特性をアピールしている。

 

(2)千葉港の取組み
千葉港は、東京港に海上距離で30?、陸上でも40?に位置しており、東京港に流れるコンテナ貨物を引き戻すため、後背地コンテナ貨物の行き先に見合った複数航路(韓国、中国、東南アジア)の開設、CFS施設、リーファー対応、メンテナンスショップ等、一通りの施設を完備している。将来的にはさらに大規模・本格的なコンテナバースの建設を予定している。
その上で、船社や、直背地、千葉以南の荷主に対して、陸上ドレージ運賃の安さとポートチャージの安さをセールスポイントに、年1〜2回の海外セールスはもとより、年1回の港湾説明会、年平均 700社に及ぶ訪問セールスを実施し、新規貨物の開拓に努めている。

 

 

 

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